会社などを辞める人がいる。それはなぜなのか。辞意を表明した直後に心地よさを何度も感じて強化される機会があったからというわけでない。辞めるなんて何度も経験することではないからだ。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第141回目となる。
【引用はじめ】
人が辞めるのはなぜか。それは一種のモデリングによるものと考えられます。
つまり、同じ会社の他の人が辞めるのを見て、自分も辞めようと思い行動に移すということです。辞表を出した人を見ていると、たとえばそれまでは会社に対する不満でいっぱいの顔つきをしていたのが、辞表を出した後は不満を忘れたすっきりした顔つきになっているのかもしれません。
また、それまでは仕事のプレッシャーから常に眉間にしわを寄せていたのが、辞表を出した後はプレッシャーから解放された、すがすがしい表情になっているのかもしれません。
そういう人を見てしまうと、それも次々に見てしまうと、「自分も辞めようかな」と思う、つまり辞めるという行動が引き起こされるのです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.149~p.150
【引用おわり】
「離職は連鎖する」と言われる。一人が辞めると次辞める人にとってハードルが低くなる。辞めやすくなってしまう。人は他人の行動をみて、ちょっとした不満で簡単に辞めてしまったりするのである。
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