目標管理制度を導入することで、個人の目標達成が目的になってしまう。そのため、組織上の協力などが疎かになる傾向がある。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第139回目となる。
【引用はじめ】
協力すると、自分の目標が達成できなくなって、弱化されてしまう。目標達成については、この会社が導入した目標管理制度の影響がありました。
目標管理制度とは、一人ひとりが今期の業績目標を立て、その達成率で人事考課を行うという仕組みです。これにより、仕事に目標意識を持ち、自分の役割責任を明確に自覚し、目標達成のために最大限の努力をするようになるというのがこの制度の導入意図でした。
この意図は、決して間違ってはいません。ですが、これが個人単位で運用されたところに、組織行動上の問題がありました。みんな、自分の目標を達成することに集中するあまり、他者への協力に気持ちが向かなくなってしまったのです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.147
【引用おわり】
個人の目標達成に主眼がおかれると、どうしても他の人たちとの協力などが十分行われなくなってしまう。まずは自分の目標が達成させなければならないなどと、強迫的な行動になってしまう場合さえある。組織的な協力のあり方にも配慮した目標管理が導入される必要がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿