部下のおしゃべりは、弱化の原理では止まらない。上司がいれば、おしゃべりしないが、上司がいなくなるとおしゃべりが始まるのである。上司から注意されればおしゃべりを止める。しかし、上司がいなければおしゃべりをするといった弁別の原理が働く結果である。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第22回目の引用である。
【引用はじめ】
叱ることによる弱化の行動随伴性は、弁別の原理が働いてしまうから、上司がいるときにしか有効ではない。一日中、新人に付き添っているわけにはいかないし、それに何とも言っても、おしゃべりしていないからといって仕事をしているとも限らない。静かにしていても、今晩のデートのことを考えているかもしれない。
弱化の行動随伴性は、望ましい行動を伸ばすという点からは欠点が多い。ちなみに右の図で結果の欄に書いた矢印は、弱化によっておしゃべりが減ること(↓)、回復によっておしゃべりが元に戻ること(↑)を表している。(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.14)
【引用おわり】
弱化の原理では、いい結果が生まれない。叱ったからといって、不適切な行動は減る。しかし、それは一時的なものにすぎない。弱化の原理によって、適切な行動を生み出すのは難しい。
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