今まで、「強化の原理」「弱化の原理」「回復の原理」などを説明してきた。今度は、「消去の原理」だ。行動の直後に強化されないと、どうなるかということである。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第19回目の引用である。
【引用はじめ】
上司が、新人のおしゃべりを叱るという行動随伴性は、弱化の原理の一例だ。上司が出先から帰ってくると、すぐにおしゃべりを止めたように、"叱られること" は嫌子としておしゃべりを弱化している。ただし先行条件は "仕事中でしかも上司がいるとき" である。
おしゃべりをしなかったら、上司が褒めて強化しなければ、おしゃべりをするようになる。これが「消去の原理」である。(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.13)
【引用おわり】
新人はおしゃべりが好きだ。仕事中でもついついおしゃべりをしてしまう。上司が叱るとおしゃべりを止める。しかし、上司がいないとおしゃべりをする。上司がおしゃべりしない新人を褒める。おしゃべりしないことを強化するのである。しかし、そうした強化をしなくなると、新人は元のようにおしゃべりをするようになる。これが「消去の原理」である。
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