嫌子を使って行動を制御するとさまざまな問題が生ずる。「嫌子を繰り返すと耐性がつく」ので、ますますその嫌子がエスカレートしてしまう問題がある。また、嫌子を与える人間を避けるようになって、人間関係に問題を生ずる場合もある。次に問題なのは、嫌子を使うと行動が抑制されるという問題である。
【引用はじめ】
嫌子を使う行動の制御は多くの問題があると言われ続けているにもかかわらず、人々は嫌子を使って相手をコントロールしようとする。嫌子を使うことの問題はいくつかあるが、その問題の一つが次のことである。
③ 行動が全般的に抑制され、新しい行動が生み出されにくい
嫌子の出現で行動を抑制すれば、問題行動はしなくなる。しかし、それは同時に、行動全般を抑制することにもつながる。動物は嫌子から逃げることができない状況に置かれると、活動性を失うことが知られている。嫌子を与えられた行動をしなくなるばかりではなく、新しい学習も阻害されてしまう。
(舞田竜宣・杉山尚子「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」日本経済新聞出版刊 2008.12.16, p.56~p.57)
【引用おわり】
嫌子によって行動を制御しようとすると、行動をしなくなる。しかし、そればかりでなく新しい行動も抑制されるのである。
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