2025年1月8日水曜日

問題解決(38) 「マスクをつけないは行動の原理が働かない」

 マスクをつけないというのは、行動とは言えない。マスクをつけるというのは、行動だ。行動は、強化の原理や弱化の原理など行動の原理が働く。行動でないマスクをつけないのは、行動の原理が働かない。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第38回目の引用である。

【引用はじめ】

 主任から叱られることは、なぜ弱化として働かないのか。人から叱られること、怒鳴られることは、ほとんどの場合、嫌子として働く、嫌子が出現しているのだから、弱化の原理が働いていないとおかしいというのは理にかなっている。弱化の原理は行動が繰り返して起こらなくなるように働く。

 「でも、たとえばマスクをつけていないのを減らしたいんだから、それを叱って弱化すればいいじゃないの?」という考えがある。

 ところが、死人テストという考え方がある。ABC分析をするとき、適切な行動に注目しているかどうかを判断するのに役立つ。死人テストでは『行動とは死人にできないことすべて』と考える。だから、死人にできることなら行動として適切ではない。"マスクをしない" とか "安全靴をはかない"とか "工具を整理整頓しない" のように「~しない」と行動を定義すると、すべて死人の得意技になってしまい、強化の原理も弱化の原理も適用できなくなるのだ。

(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.21)

【引用おわり】

 「~しない」というのは行動ではない。行動とは「~する」である。死人ができることは、行動ではない。行動は死人ができないことだ。だから、マスクしないことは、行動でない。マスクすることが行動なのだから、そのことを強化するにはどうするか考える必要がある。 

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