A夫にとって、爪噛みする癖を減らすための試みをさまざま行っている。その試みがうまくいかないと、別な方法をやってみる。その方法を工夫するのが楽しみになっている。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第60回目の引用である。
【引用はじめ】
A夫は、それほど素晴らしい成果を上げていない。習慣逆転法(問題行動とは同時に起こりえない、両立しない行動を分化強化すること)は三週間成功したが、年度末で仕事が忙しくなったとき、ついついまた爪を噛んでしまった。こういう時は、一度噛み始めると止まらなくなる。それでも個人攻撃の罠には陥らずに、次々と新しい方法を試している。今は、手首に輪ゴムを巻いて爪を噛むたびに輪ゴムをはじくという輪ゴム療法を試している。
新しい方法を試すと必ず数週間は爪を噛まなくてすむ。A夫にも、自分の癖をある程度はコントロールできるという自信がついた。うまくいかないときは、その理由をABC分析から推定できるという自信も、それから、自分の行動を記録して実験してみることの楽しさにもはまってしまった。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.29)
【引用おわり】
爪噛みする癖には、習慣逆転法を試みた。爪噛みしたら手を握りしめるやり方だ。それは効果が長続きしなかった。それで新しいやり方を導入した。輪ゴムで爪噛みしたら手をはじくといったやり方である。嫌子出現による弱化だ。輪ゴム療法と称している。
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