工場内の主任が事故防止のため、従業員に対してうまくいかないと、叱ってしまう。そのことが悪循環で、従業員たちは主任を避けるようになっている。それによって、事故防止も思いどおりにいってないのが現状である。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第41回目の引用である。
【引用はじめ】
叱ったり、怒鳴ったり、脅したりする、嫌子を使ったマネジメントには、さらに重大な欠点がある。それは、嫌子を使う人、その場所、時間などが、派生の原理によって嫌子化してしまうこと。そして、嫌子を避ける行動が強化されるようになることだ。 主任に叱られてばかりいると、 "叱られること" だけでなく、その主任の姿や声までが嫌子になる。職場で怒られてばかりいれば、職場そのものが嫌子になる。主任の目を見て話さないというのは、主任の顔が嫌子になって、顔を見る行動が弱化されてしまった証拠だ。主任が来ると他の作業場所へ逃げるというのは、主任と話をするのが嫌子になって、それを避ける行動が強化されてしまった証拠だ。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.22)
【引用おわり】
主任の叱るといったことでは、従業員たちの安全行動を増やすことにはつながらない。結局、主任が嫌われる結果になってしまっている。主任の言うことさえ、信頼されなくなってしまう。関係性が最悪になっていることに気づくべきなのだ。
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