工場内の事故が多いので、その防止のために主任は必死だ。事故防止行動を守らないと、従業員は叱られる。それが嫌で、従業員たちは主任を避けるようになっている。だから、職場も暗い雰囲気になっている。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第42回目の引用である。
【引用はじめ】
主任に叱られてばかりいると、 "叱られること" だけでなく、その主任の姿や声までが嫌子になる。職場で怒られてばかりいれば、職場そのものが嫌子になる。主任の目を見て話さないというのは、主任の顔が嫌子になって、顔を見る行動が弱化されてしまった証拠だ。主任が来ると他の作業場所へ逃げるというのは、主任と話をするのが嫌子になって、それを避ける行動が強化されてしまった証拠だ。こうなると職場は暗く惨憺たるものになる。出勤する行動さえ弱化されてしまうかもしれない。会社嫌い症候群だ。
(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.22~p.23)
【引用おわり】
主任から従業員は名前を呼ばれると、顔をそむけてしまう。小言を言われるかもしれないからだ。主任がやってくると、用事もないのに別な作業場所に行く。主任から声をかけるのが嫌だからだ。従業員たちは、事故防止のことで叱られているので、それを聴くのを避けているのである。
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