2025年1月9日木曜日

問題解決(39) 「何が弱化されるか」

 叱られたり、怒鳴られたりするというのは、嫌子による弱化されることになる。その直前の行動が弱化するのである。嫌子が随伴した直前の行動に影響を与える。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第39回目の引用である。

【引用はじめ】

 死人テストという考え方がある。ABC分析をするとき、適切な行動に注目しているかどうかを判断するのに役立つ。死人テストでは『行動とは死人にできないことすべて』と考える。だから、死人にできることなら行動として適切ではない。"マスクをしない" とか "安全靴をはかない"とか "工具を整理整頓しない" のように「~しない」と行動を定義すると、すべて死人の得意技になってしまい、強化の原理も弱化の原理も適用できなくなるのだ。

 「叱られることは嫌子なんだから、とにかく何らかの行動は弱化されていないとおかしいじゃないか!!」という主張もある。そこで、どんな行動が弱化されているか。それは、"叱られる直前にしていた行動すべて"である。今日の昼飯をどこで食べるか考えていたら、それが弱化される。機械の操作を間違えた瞬間だったら、それが弱化される。でも、こんなにタイミングよく叱るのは実は難しい。逆に、たとえば叱られる寸前に頭が痒くて掻いていたら、それが弱化されるかもしれない。最悪、その時に従事していた作業をする行動が弱化されてしまうかもしれない。

(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」1999年 開成出版刊、p.21~p.22)

【引用おわり】

 嫌子によって、その直前の行動が弱化される。その行動の頻度は減少することになる。叱った、怒鳴ったの直前にはどんな行動をしていたか。その直前の行動は弱化され、減っていくのだ。 

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