2025年1月21日火曜日

問題解決(51) 「意志が弱いなんて言ってもなあ」

 なにかうまくいかないと、自分は意志が弱いからなあと言ってしまいがち。行動を左右するのは、意志のせいではない。行動とその直後の環境関係が一番重要なことだ。そうした内容について、「パフォーマンス・マネジメント」による第51回目の引用である。

【引用はじめ】

 自分の行動を自分で管理するのは難しい。その問題は「自分の行動は自分の意志によるものだ」という迷信にあるのかもしれない。強化の原理や弱化の原理から分かるように、行動は環境との関係、すなわち行動随伴性によって引き起こされたり、抑えられたりする。意志の力によってではない。

 もちろん "意志" も影響する。「やせたい」と思うのは行動だし、それが先行条件として働いてケーキを半分しか食べないこともあるだろう。嫌煙家の友人の前では遠慮してタバコを吸わないかもしれない。でも "意志" の影響は、通常、行動随伴性のごく一部でしかない。だから自分の意志によって、自分の行動を完璧に管理できないのは、むしろ当然なのだ。それを知らないと「自分は意志の弱い人間だ」と個人攻撃の罠にはまってしまう。

(島宗理著 「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」 1999年 開成出版刊、p.27~p.28)

【引用おわり】

 あれもできないこれもできないと、自分の意志の弱さがなせるわざと思ってしまう。反省が良くなる方向になればいいが、大抵うまくいかない。個人攻撃の罠にはまってなおさらドツボにはまってしまう。堂々巡りでうまくいかない。まずは、行動直後の状況を明らかにすることから始めるのだ。 

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