2020年5月11日月曜日

随伴性が文化・風土をつくる

 組織において、問題があっても、放置していればそうした土壌をつくってしまう。
 問題を放置せず直ちに対応する組織になっていれば、望ましい土壌をつくりだす。
 問題を放置する随伴性、問題に真正面から対応する随伴性によって、組織の土壌は違ってくる。
 そうした土壌は、組織における文化・風土である。
 そこで、舞田氏は、「随伴性が文化・風土をつくる」と、次のように指摘する。 
 舞田氏による著書の紹介は第144回目である。

【引用はじめ】


 行動の変化は、強化の頻度に比例します。
 これは、夢への階段を一歩一歩のぼっていくステップです。
 文化とは、実はさまざまな随伴性の集合体です。
 たとえば、「問題を見つけたときに、それを指摘すると、嫌な目で見られたり邪魔にされたりする」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしてなかったことにしていれば、罰や叱責を免れることができる」とかの随伴性がある会社では、組織ぐるみで虚偽や偽装が行われます。
 個人の意識や資質に関係なく、そういう文化ができてしまうのです。
 逆に、「問題を見つけたときに、それを指摘すれば、周囲から賞賛され尊敬される」とか、「問題を見つけても、知らん顔をしていたら、やがて厳しい叱責や罰が待っている」とかの随伴性がある会社では、仕事の品質にこだわる文化が定着します。
 随伴性が文化・風土をつくり、随伴性を変えれば文化・風土がわかるのです。

   
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.333~p.3342008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 組織を望ましい方向に変えるには、その時々の適切な随伴性が必要である。
 問題をしっかり把握して、それを変える随伴性を工夫することである。
 そうした日々の積み重ねが組織の文化・風土に影響を与えるのだ。

2020年5月10日日曜日

人は変われる

 人はさまざまな環境にさらされて、その環境の影響を受けている。
 その環境に見合った行動傾向をすることになる。
 そうするならば、望ましい行動を身につけるには、そうした環境から生じている随伴性を変えることだ。
 そこで、舞田氏は、「人は変われる」と、次のように指摘する。 
 舞田氏による著書の紹介は第143回目である。

【引用はじめ】


 人は、それまでの人生において、さまざまな環境にさらされ、その環境が作る随伴性の影響を受けて、人それぞれの行動パターンを身につけています。
 もちろん、それらは個性ですから、基本的には肯定されるべきものです。
 ですが中には、自分として、できることなら変えたいと思っている行動というものもあるのではないでしょうか。
 そういうときには、まず、どのような随伴性が、その行動を維持強化しているのかを考えてみることです。
 そして、新たな行動パターンを獲得するための、新しい随伴性、望ましい随伴性を工夫することです。
 きっと、何かが変わるはずです。
 「人は、変われる」のです。  
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.332~p.3332008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 私たちにとって変えたい行動は、新たな随伴性の導入が必要だ。
 それによって、今までとは違う行動パターンを身につけることができる。
 望ましい行動のためには、新たな随伴性を試みることである。
 それもうまくいくまでさまざま試す必要がある。
 それによって、望ましい行動を確立するのである。

2020年5月9日土曜日

組織文化のマネジメント

 組織文化のあり方を行動のレベルで把握することが大事だ。
 そこで、舞田氏は、「組織文化のマネジメント」によって、目指すべき組織づくりについて次のように指摘する。 
 舞田氏による著書の紹介は第142回目である。

【引用はじめ】


 私たちは日々、職場でさまざまな随伴性や随伴性を記述したルールに制御されて生きている。
 それが、組織文化と呼ばれるものの正体だ。
 組織文化というと、何か漠然として変革の手がかりがつかみにくいものに感じられる。
 しかし、ある組織の中で機能する随伴性やそれを記述したルールが、そのメンバーの行動を制御していることに気づけば、組織文化変革の糸口は見えてくる。
 目指す組織を作り上げるには、どのような行動を強化していけばよいのか。
 どのような行動を許してはならないのか。
 目指す文化を構成する行動を特定し、新たな随伴性やルールを導入すれば、組織文化は変えることができる。
 自分たちの望む方向へと、意図的・計画的に変えることができるのである。
 それが組織文化のマネジメントだ。 
  
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.3282008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 組織文化は、その組織に属する一人ひとりの行動が作りだすものだ。
 メンバーの行動が組織の目指すものと合致することが必要である。
 そのために、メンバーの行動をいかに変容するかである。
 随伴性やルールをうまく工夫することで行動の制御を図るのである。

2020年5月8日金曜日

「従いやすいルール」と「従いにくいルール」

 ダイエットや禁煙するのはなかなか難しい。
 シートベルトの着用率は罰則規定が付いたら、ほとんどするようになった。
 そこで、舞田氏は、「従いやすいルール」と「従いにくいルール」があることを次のように指摘する。 
 舞田氏による著書の紹介は第141回目である。

【引用はじめ】


 「従いやすいルール」
 一回の行動に随伴する結果が適切な大きさで、確率が高ければそのルールは従いやすい。

 「従いにくいルール」
 一回の行動に随伴する結果が小さすぎたり(累積的にしか表れない)、確率が低すぎたりするとそのルールは従いにくい。
  
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.3262008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 ダイエットは食事制限や運動などを長期間続けなければならない。
 「ちりも積もれば山となる」ルールを守らなければならない。
 また、禁煙をすれば健康にいいと思っていてもそれがうまくいかない。
 肺がんになるかもしれないとの不安が多少あってもすぐすぐそうなるわけでないし、誰もが肺がんになるわけでもない。
 「私だけは大丈夫」ルールには従わない傾向がある。
 世の中には、「従いにくいルール」が多い。
 それを、「従いやすいルール」にする随伴性が必要だ。