2021年7月1日木曜日

「意識」を変えるのではなく「行動」を変える

 常識的には、意識が変わらないと、行動は変わらないと思っている。ここでは、逆転の発想で、まずは行動を変えてみようするやりかたである。意識がどうのこうのと気にしないやり方があるという主張である。

 そのことについて、榎本氏、次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第4回目である。

【引用はじめ】

 「意識」が変わることで「行動」が変わるというのが、世の中の常識的です。

 最初に意識があり、それが行動を引き起こすというのが世の中で当たり前となっている考え方です。

 しかし、ここで取り上げるABA(Applied Behavior Analysis 応用行動分析学)は、心のなかは見ずに、目に見える行動を徹底的に測定して、その法則を導き出し応用する学問です。人の行動を変えるという点においては、このABAは、すごい力を発揮します。

 人はなぜ、このような行動をするのか、逆に、なぜ行動しないのか。そのしくみがよくわかりすま。「意識」がどうなっているのかは気にしません。「行動」に直接働きかけて、人の行動を変容させていくのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) はじめに

【引用終わり】

 問題となる行動に着目することで、その行動を変えさえすれば、意識がどうなっていると気にする必要がないのではないか。そうした考え方がABAである。ちょっと非常識で違和感を覚えるという人もいるだろう。でも、それが意外と役立つ。勉強してみて損はない。 

2021年6月30日水曜日

人は職場環境に適応する

 「自律型」職場環境であるかないかで、職員の仕事ぶりも変わる。

 そのことについて、榎本氏、次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第3回目である。

【引用はじめ】

 人の性格や人間性は、社会人になるまでの家庭環境や学校環境などにより、ある程度形成されてはいます。しかし社会人になってからの職場環境に、人はかなりの時間、身をおくことになります。

 その職場が、「自律型」であることが適している職場であれば、自然と人は適応していくようになります。逆も然りです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) はじめに

【引用終わり】

 職場においては「自律型職員」が求められている。多くの管理職は即戦力となる「自律型職員」を採用したい。しかし、始めからそうした職員が採用できるわけでない。そもそも採用する側の職場環境がそうした自律的なものになっているかどうか。結局は、職場環境によって職員のあり方が変わることも考慮しなければならない。 

2021年6月29日火曜日

「自律型社員」は後から育成できる

 「自律型社員」というのが求められている。しかし、そうした人は滅多にいない。入社した人を社内において育てる必要がある。

 そのことについて、榎本氏、次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第2回目である。

【引用はじめ】

 1. 自律型社員は育成できるもの

 2. 「意識」や「やる気」を変えるのではなく、「行動」を変える

 「自律型社員」はもともと生まれつきのものであって、会社に入ってから育成するものではない、となんとなく思っている方が多い。しかし、そのようなことは決してありません。どんな人間でも、後から替えること、変わることは可能です。

 逆にいえば、どんなに「自律型」であった人でも、後からダメになってしまうこともあります。大部分は職場の環境次第なのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) はじめに

【引用終わり】

 わが福祉施設においても、いい人材を求めているのは当然である。始めから自律的に仕事ができるなど期待しても無理と考えるべきである。

 施設内において、仕事をしながら効率的に自律型職員になるよう育成できるようにしなければならない。そうした職場づくりが大事だ。まずは前向きに仕事に取り組む職員である。利用者に対するていねいで、きめ細かな支援ができなければならない。 

2021年6月28日月曜日

誰もが自律型社員を探している

 また、新しい本から人材育成の方法を学ぶことにする。次の書物だ。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊)

 榎本氏は社会労務士として中小企業のマネジメントに多くの実績がある。本書を少しずつ引用しながら、人材育成のあり方を学んでいくことにする。また、長くなる可能性があるので、お付き合い願いたい。

 職員一人ひとりを生かし、利用者支援が適切なものになるようにするためである。当法人の信頼を高め、ゆるぎない法人経営ができるようにするためでもある。

 どこの企業でも「自律型社員」を求めていると、次で述べている。

【引用はじめ】

 「自律型の社員に来てほしいんだ。どこかにそんないい人はいないかね」

 このような相談を受けます。

 「社長、大手で上場している会社でも、そんな社員を喉から手が出るほどほしい、と言っていますよ。でも、大手でもなかなか採用できない。もし、いたとしても、中小には来てくれるか」

 「でも、社長、それなりのフツーの社員を、自社で育てることはできます。自社で自律型社員に育成するのです。」

 すると、社長さんはこう言います。「そりゃぜひ知りたいよ。〖意識を変える〗とか、〖やる気を引き出す〗とか、そういう研修みたいなものをやってくれるかい?」

 「いえ、社長、違います。私が行うのは〖ABA〗という行動科学を用いて、『行動』に直接アプローチをする人材育成法です。」

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊)

【引用終わり】

 「自律型社員」なんて待っていても来てくれない。それならば、そうした人を育てられないか。職員の「意識を変える」なんて言っても簡単には変わらない。一時的に変わっても長続きしない。「やる気を引き出す」なんて言ってもどうすれば良いかわからない。こうした常識的なやり方を試みても今までうまくいった試しがない。常識破りの方法がある。それをやってみようというのがここでの提案である。ABAと呼ばれる「応用行動分析学」によるアプローチである。だまされたと思って試してみよう。 

2021年6月27日日曜日

分かっちゃいるけど、できない

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)を「159回」にわたって紹介してきた。

 「やる気」を引き出す技術の一端を理解してもらうことがてきたと期待しているのだが。

 ただ、ここに紹介した内容を文字面で分かっても、実践的に応用できるかとなると別問題。そこには大きなハードルがある。言語理解とそれを行動実践として置き換えられるかという問題がある。「分かっちゃいるけど、できないしやれない」ということが往々にして起きる。

 そのためには、今自分にとって課題となっていることを明らかにする。それも、行動のレベルとなる標的行動にしなければならない。この標的行動を強化するのか、消去するのか、弱化するのか。そうしたら、行動の直後にどのような好子を随伴するか、嫌子を随伴するかを決めるのである。

 標的行動は増やすのか、減らすのか。それを数値化することによって明らかにするのだ。ぜひ今の自分にとって課題となっていることを、このようなやり方でやってみてほしい。うまくいったら自分自身を褒める。うまくいかなかったら諦めずどこに問題があったか振り返って、次の手立てを試みるのである。

 さて、興味を持たれた人は、本書に直接あたって欲しい。きっと実践書として役立つはずである。

 

2021年6月26日土曜日

問題を行動レベルで測定する努力

 問題の原因を探るには、評価ではなく行動として測定できる形に再定義することが重要だ。曖昧な概念を客観的な行動に落とし込み、その頻度や回数を記録することで、改善への道筋が具体化する。 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第159回目である。

【引用はじめ】

 原因の分析で大事なことは次のことである。 対象となる問題を行動のレベルに落とし込み、客観的に定義されたその行動を実際に測定し、行動の原理に基づいて介入を実施することである。

 「覇気」「閉塞感」「リーダーシップ」というものは、ともする語られがちの問題だ。しかし、行動分析学の要諦は、それらを「評価」するのではなく、「測定」するところにある。解決したい問題を測定できる形でいかに行動として再定義するか、そこに介入の成功がかかっている。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年、p.205~p.206)

【引用終わり】

 行動分析学は「覇気」や「閉塞感」といった抽象語を測定可能な行動に置き換えることで、介入の効果を明確にする学問だ。行動の増減を記録し、変化の傾きを示すことで、改善の成否を客観的に判断できる。


 

2021年6月25日金曜日

人は、変われる

  「人は、変われる」。その原理を学んできた。本ブログだけでは舌足らずの部分も多かったはず。なかなかわかりにくかったかもしれない。利用者との支援の中で試してほしい。また、自らの問題をこうした原理によって変えられたらうれしい。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第158回目である。

【引用はじめ】

 人はなぜ、ある行動をするのか。あるいは、しないのか。

 建て前や理屈では、してはいけないと知っていることでも、人はやってしまうことがあります。逆に、すべきと分かっていることでも、どうしてもしないことがあります。

 その理由が分かれば、人は変われるはずです。自分を変えることも、誰かを変えてあげることもできるはずです。

 「人は、変われる」。それが、行動分析学の根底にある哲学です。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.3

【引用終わり】

 「人は、変われる」は行動の直後に、強化・消去・弱化を随伴することによって成り立つという原理だ。しかし、そのタイミングが難しい。そして、何を変えるか明確でなければならない。標的行動がはっきりしてないとうまくいかない。また、「塵も積もれば山となる」「天災は忘れた頃にやってくる」などといったものについても、計画的な随伴性が必要だ。そうした課題はあったとしても、まずは目前にある問題についてまずは焦点化して、ステップバイステップで変えていく試みをすることで、コツを身につけることである。