2024年10月31日木曜日

島宗リーダー本398「カレーが好きとカレーを注文するとは別の行動」

 カレーが好きだという感情があるから、カレーを注文する行動が生ずるわけでない。カレーを注文したら、カレーを食べることができて、その行動が強化される。カレーを食べられたことが原因なのである。そうした内容について、島宗リーダー本による第398回目の引用である。

【引用はじめ】

 カレーショップの経営を想定して解説しましょう。常識的に考えると、お客さんは、カレーが好きだから(感情)、注文する(行動)わけですが、これは常識ゆえの誤謬です。 知識が行動の原因にならないように、感情も行動の原因にはなりません。

 行動分析学では次のように考えます。カレーを注文すると(行動)、カレーを食べることができて(好子の出現)、その結果、カレーを注文する行動が強化される。

 カレーにまつわる好子は人によって異なるかもしれません。辛さが好子の人もいれば、複雑なスパイスが好子の人もいれば、食感が好子になっている人もいるでしょう。

 どのようなカレーを注文しているか調べれば、その人の好子を推定できますし、カレーの味を変えてみれば推定の妥当性も検証できます。

 「カレーが好きだ」という "気持ち" は好子ではありません。カレーを注文し、食べた後に出現する、注文とはまた別の行動なのです。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.203~p.204)

【引用おわり】

 カレーの注文は、カレーを食べられたことが原因とするのが、行動分析学的考え方である。カレーが好きとカレーの注文行動とは違うことを明らかにしているのだ。感情が行動の原因でないとする考えである。 

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