行動のきっかけとして、「言語指示」「モデリング」などがよく使われる。しかし、それでも正しく行動ができないときに用いられるのが、「身体的誘導」である。体の動かし方を手とり足とりするやり方である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第270回目となる。
【引用はじめ】
- 身体的誘導とは、文字通り手とり足とり教えることだ。
- ゴルフではよく「腰を回せ」と言われる。これは言語指示である。
- 本人としては回しているつもりでも、実際には全然回転していないことが、よくある。
- 先生が「もっと回せ」と再び言語的指示を与えるわけだが、それでも十分には回らない。
- そうしたときに、先生が、「ここまで回すんだ」と言いながら、生徒の腰に手を当てて、ぐっと回す。これが身体的誘導である。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.60
【引用おわり】
新しい行動を身につけるには、言葉だけでも、見本だけ見ても難しい。そうなったら、手とり足とりする「身体的誘導」が用いられる。体の動かし方の要領を身につけられるようにするのである。そうすることで、上手にできるようになったら、すかさず褒めてあげるのがいい。
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