希少物質ノップニップの採掘における業績が大きく違ってきている。それは、X社・Y社・Z社の仕事の取り組み方がずいぶん異なるためだ。そのことについて、島宗リーダー本による第8回目の引用である。まずは、X社の働き方を説明する。
【引用はじめ】
3社のプラントがある各地域に、地理的、気候的な差があるわけではありません。ノップニップの埋蔵量にも、テナ族の集落の文化や教育の程度にも大差はありません。給与の平均も同じです。
ところが3社の社員のパフォーマンスには見逃せないくらいの大きな違いが生まれたのです。なぜでしょう?
この星の資源開発に新規参入を計画しているa社のあなたは、3人の部下に潜入調査を命じました。それぞれ、X社、Y社、Z社の社員になりすまし、現地に飛び、何が起こっているか報告させたのです。
最初の部下からの報告です。
「伝統を重んじる社風のようです。監督はみな厳しく、どこをどうやって掘るか、毎回指示を出していました。はずれが続くと、さらに厳しくなり、テナ族の社員を呼び出して叱ることもしょっちゅうです。ノップニップを掘り当てると、監督は喜んでいましたが、テナ族の人たちは、これで怒らなくてすむとほっとしている様子でした。作業中に怪我をすると、不注意だから事故を起こすんだと叱られるので、怪我をしたことを隠して仕事を続けている人もいました。正直、あの会社では働きたくないなと思いました。」
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる! リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.16 )
【引用おわり】
X社は、監督が厳しく、失敗すれば叱られる。怪我などすれば、本人の不注意を指摘される。だから、失敗などは隠して報告しないことも多い。テナ族の社員は怒られないよう、活動は消極的になりがちだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿